Oshi-Ire

心の押入れ。創作とか感想とか徒然なるままに。

人生なめプですわ(白目)

「人生とはランダム要素の強い運ゲーさ。しかしだね、君、賽子を振るタイミングぐらいは自分で決められるのだよ」

 

「その賽子が重いのです。重くて重くて、振った衝撃でこれまで作り上げた人生が吹き飛んでしまうんじゃないかと思うぐらいだ」

 

「吹き飛ばして仕舞えばよいじゃないか。大切に保存するようなものでもないだろうに。少なくとも、朝1番に自分の教室ではなくこの保健室の扉を開くぐらいには」

 

そう言われてしまえばぐうの音もでなかった。

スピーカーからチャイムの音が流れる。もうすぐ午後のホームルームが始まるのだろうがそれにすら出席しようとは思わない。色とりどりのクラスメートの声であそこはもう飽和状態で、僕という存在を収容するだけの隙間はもうないのだ。

開かれた窓から桜の花びらがひらりと迷い込みそのまま床に落ちた。数時間したら掃除当番に箒ではかれてゴミ箱行きだろう。花も楽じゃない。視線を先輩に移すと彼女は僕の沈黙を肯定ととったのか余裕のある笑みを浮かべ手元の本に視線を戻していた。

 

 

 

 

 

「でも、それ、先輩にだけは言われたくないです。保健室の貞子さん」

 

保健室の貞子さん、もとい先輩は、本から顔を上げ、ニタリと不敵に微笑んだ。

 

「なんだ。知っていたのか。お友達から聞いたのかい?」

「友達がいないことは知っているでしょう。……こんな僕の耳をかすめるような風というものもあるのです」

「ははは、そうかそうか。君の耳も少しは役立つじゃないか」

 

先輩、山内貞子はいわば生きた都市伝説だ。学年は3年。日がな一日を保健室で過ごし、大抵はこうして読書に勤しむか、僕をからかって楽しむ。「実は父親の企業が倒産し家族解散を言い渡された結果保健室に住み着いている」だの「本当は名家のお嬢様だが箱入り娘のため普通の暮らしにあこがれて、お忍びでやってきている」だの、彼女に関する噂は後を絶えない。ちなみに3学年の先輩方にも山内貞子が何組に所属しているのかが分からないようで、ひそかに「保健室の貞子=地縛霊説」なんて馬鹿げたものすらあるらしい。まあ、確かに、名前はものすごくらしいけど。

 

ひゅう、と風が吹き、また桜の花びらが舞い込む。

 

さすがに窓をしめようか。

 

 

4月。僕はワンチャンかけていた高校デビューに失敗し、この謎の多い先輩と悲しい悲しい保健室ライフを送っていた。廊下から聞こえる楽しそうな笑い声を背にして一口飲んだコーヒーからは敗北の味がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな感じのやつ思いついた。

 

生まれながらにぼっちでひねてる主人公と、謎の多い保健室の貞子さんの話し。

 

主人公がどんどん人と関わっていくと、貞子さんについての情報も集まってくるシステム。

 

捻くれ者の脱ぼっちストーリー。

 

 

 

 

 

 

って、とこまで書いて、読み返してたんだけど、先輩の声がうぐで再生されたからもうこれ二次創作で創ろうかな。